歩み始めたばかり 歩幅さえ小さくて
まだ見ぬ地平線には 届くのか不安なの
どこへと行けばいいの 道しるべ見えなくて
地図にない分かれ道 先には何があるの

ここから独り行くんだよって 背中を押した言葉にただ
うなずいて 前を見て 夢を力にかえて

少しずつでもいいから 今は進むことよ
遥か広がる世界に 見上げればひとすじ 空のみち


夢中で歩いていた 居場所さえわからずに
まだ見ぬ夜明け求め 彷徨っているばかり

ここから自分だけだからって 問われる重い言葉にただ
動けずに 下を見て 押しつぶされそうで

歩き続けていくのね 木陰はどこにあるの
人ごみに取り残され 見上げればひとすじ 流れ星


そこには可能性という名の 無限の空が見えるでしょう
歩き出し 手を伸ばし 踏み出す勇気持って

力強く歩いてゆく つらくても逃げないわ
「大丈夫」その一言 信じればひとすじの光が

迷わないとは言えない けどもう恐れもしない
この空見上げればほら
未来を指し示す 空のみち
これから歩んでく 空のみち

©2012 music & lyrics : Fuujyo Sawatari



*創作Note

 楽曲には「時事ネタソング」という分野があります。クリスマスや夏の海、桜、その時話題になってる事象(事件とか天災とか)といった、時代や季節行事に合わせた楽曲のことです。私はこの時事ネタソングが嫌いで(季節ネタまでなら許容しますが)今まで一切作ってきませんでした。理由は常に普遍的なテーマを曲にしたいという思いがあったからです。でもそれは自分で歌う場合であって、ボーカロイドではそこまで拘る必要もないかと思い、初めて「卒業」をテーマに曲を作ってみました。

 最初はスピッツのようなハネ系のリズムを想定していたのですが、卒業式で歌われそうな曲にはふさわしくないと思い、しっかりとしたビートを刻むことにしました。一歩一歩確実に歩んでいって欲しいという曲のテーマにはこちらで正解でしたね。

 歌詞は「夢」だの「勇気」だののワードが入り、いかにもといった感じですが、この「いかにも感」が卒業ソングには不可欠だと感じたのであえて使っています。比喩の対象もよくある「道」ですが、道から飛行機雲を連想し、空と結びついた時点でほとんど歌詞は書き上がったようなものでした。

 サクッと出来てしまったこの曲、個人的には創作プロセスも含めて気に入っています。